- 投稿日 2026/01/01
- 更新日 2026/02/02
飛行機に乗るなら知っておきたい|車いす利用の搭乗手続きと準備
個人旅行向けp>
付き添いp>
知識p>
飛行機での移動は、時間の節約や長距離移動において非常に便利な手段です。
しかし、車いすをご利用の方にとっては、空港での移動や搭乗手続き、機内での過ごし方に不安を感じる場面も多いのではないでしょうか。
実際、「どこまでサポートしてもらえるのか」「電動車いすでも大丈夫か」といった疑問はよく聞かれます。
本記事では、車いす利用者が飛行機を利用する際に知っておくべき準備・手続きの流れや、注意点、サポートの受け方などを、事前予約から搭乗、機内での過ごし方に至るまで詳しく解説します。
また、よくあるトラブルへの対処法や、スムーズに搭乗するためのチェックリストもご紹介。
飛行機での移動に不安を感じている方が、安心して旅を楽しめるようになるための実用的な情報を網羅しています。
目次
なぜ「事前申告」と「サポート依頼」が重要か
車いすを利用する方が飛行機を利用する際には、航空会社や空港に対して「事前申告」と「サポート依頼」を行うことがとても重要です。
これにより、当日の搭乗がスムーズになるだけでなく、安全かつ快適に移動するための必要な支援を受けることができます。
サポート体制が整っているとはいえ、準備なしで当日を迎えると、搭乗や機内対応に時間がかかる、設備が準備できていないなどの問題が起こることも。
以下では、どのようなサポートが受けられるのか、予約時に何を伝えるべきかを詳しく解説します。
空港・航空会社で受けられるサポートとは
車いす利用者が空港で受けられるサポートには、実にさまざまなものがあります。
たとえば、空港のチェックインカウンターでの専用対応、搭乗口までの移動支援、機内用の通路車いすの提供、搭乗・降機時のリフト使用などが挙げられます。
また、搭乗する航空機の座席まで介助してくれるサービスや、補助ベルト・体幹保持器具などの貸出対応を行っている航空会社もあります。
到着空港でも、降機後の荷物受け取りや車いすの返却、移動支援まで一貫してサポートを受けることが可能です。これらの支援は、事前に申請しておくことでスムーズに受けられます。
事前連絡がない場合、当日にスタッフや設備の準備が間に合わず、待機時間が発生することもあります。そのため、移動支援を希望する際は、遅くとも出発の48時間前までには航空会社へ連絡することが推奨されています。
予約時に伝えるべき情報と理由
予約の際には、航空券の手配と同時に車いす利用の申告を行いましょう。
伝えるべき主な情報には、以下のような項目があります。
- 利用する車いすの種類(手動か電動か)
- 車いすのサイズや重さ
- 折りたたみ可能かどうか
- バッテリーの種類(電動の場合)
- どの範囲まで介助が必要か(空港内のみ/機内座席までなど)
これらの情報を正確に伝えることで、航空会社側が適切なサポート体制を整えることができます。
また、航空機の機種によっては、車いすの収納スペースに制限がある場合もあるため、サイズや重さの申告は特に重要です。
さらに、搭乗当日だけでなく、トランジット(乗り継ぎ)がある場合もサポートの手配が必要となります。
複数の航空会社を利用する際には、それぞれに連絡を行う必要があることにも注意が必要です。
チケット予約から搭乗までの流れと準備ステップ

車いす利用者が飛行機に安心して乗るためには、出発当日だけでなく、予約の時点から計画的に準備を進めることが大切です。
航空会社側もさまざまなサポート体制を整えていますが、それらを確実に受けるには事前連絡と情報提供が不可欠です。
ここでは、チケット予約時から当日の搭乗までに行うべき準備のステップを、時系列に沿って解説します。
予約後〜出発前にすべきこと(連絡・情報整理)
- 航空券を予約する際に車いす利用を申告する
チケット予約時に、車いすを利用していること、介助の有無、車いすの種類やサイズ、電動の場合はバッテリー情報などを正確に伝えましょう。 - 必要なサポート内容を明確にしておく
空港内の移動補助だけでなく、搭乗口から機内座席までの介助、機内でのトイレ移動補助など、どこまでサポートが必要かを整理しておきます。 - 出発2日前までに再確認の連絡を
ほとんどの航空会社では、48時間前までに事前連絡することが推奨されています。予約後の変更や情報の抜け漏れがないか、再確認を行いましょう。 - 必要な書類や説明書を準備
特に電動車いすの場合は、バッテリーの仕様が記載された説明書や、取扱いマニュアルを印刷して持参するのがおすすめです。
空港到着〜チェックイン、搭乗までの手続き
出発当日は、できるだけ早めに空港へ到着することが推奨されます。
特に車いす利用の場合、通常よりも搭乗手続きに時間がかかることがあるため、出発の2時間〜2時間半前を目安に空港へ向かいましょう。
- チェックインカウンターでサポート内容を再確認
予約時に申告していたサポートの内容について、当日も再確認します。必要に応じて、空港スタッフがその場で案内や手続きを調整してくれます。 - 車いすの預け入れと手荷物の準備
搭乗前に、使用している車いすを機内に預ける場合は、破損防止のための梱包やスタッフによる取扱い方法の確認があります。また、折りたたみ式かどうかや、分解の有無も重要です。 - セキュリティチェックと搭乗案内
車いす利用者には、一般とは異なるセキュリティチェックルートが用意されている場合があります。搭乗ゲートでは、優先搭乗として先に案内されるケースが多く、事前に声をかけておくとスムーズです。
車いすの種類と注意点 — 手動/電動それぞれの扱い
飛行機に乗る際、利用する車いすの種類によって搭乗手続きや注意点が大きく異なります。
特に電動車いすは機材の構造やバッテリーの安全性に関する規定があるため、事前に必要な情報を航空会社へ正確に伝える必要があります。
ここでは、手動車いすと電動車いすのそれぞれの特徴や注意点について詳しく解説します。
手動車いすとその扱い
手動車いすは、電動に比べて比較的取り扱いが簡単で、航空会社でも対応しやすいタイプです。ほとんどの航空会社では、折りたたみ式であれば無料で機内預けが可能です。
チェックイン時に預け入れ、到着地の空港で返却されます。
利用者が機内までの移動を希望する場合、空港スタッフが通路幅に適した機内専用の車いすに乗り換えてサポートしてくれます。
なお、車いすに付属しているクッションや足置き、ブレーキレバーなどの取り外し可能な部品は破損防止のため手荷物として機内に持ち込むことが推奨されています。
また、使用している車いすのサイズ(高さ・幅・重量)を事前に測っておき、航空会社へ伝えることでよりスムーズな対応が可能となります。
電動車いすのバッテリー・サイズ・事前確認の大切さ
電動車いすの場合、バッテリーの種類によって輸送可否や手続きが異なるため、事前確認は必須です。
航空会社では、安全基準を満たしたバッテリーであれば輸送可能ですが、リチウムイオン電池など一部の電池には容量制限や取り外しの指示があります。
主な注意点は以下の通りです。
- バッテリーの種類(鉛蓄電池、リチウムイオンなど)を確認
- 容量(Wh数)を調べ、制限値内かどうかを航空会社に確認
- 取り外し可能かどうか、事前に機材のマニュアルを用意
- サイズや重量が機材に収まるかの確認(特に小型機は要注意)
電動車いすの中には、飛行機の貨物室に収まらないサイズのものもあります。
そのため、航空機の種類や機材構造によっては輸送不可となる場合もあるため、予約時に利用予定の路線と機材情報を確認することが非常に重要です。

飛行機内での過ごし方と安全確保の工夫

車いす利用者が飛行機で快適に過ごすためには、搭乗後の機内での時間をどう過ごすかがとても大切です。
座席の選び方、機内設備の使い方、トイレへの移動など、事前に把握しておけば不安を減らし、より安心して空の旅を楽しむことができます。
ここでは、機内での具体的な過ごし方と、安全を保つための工夫を紹介します。
機内用車いすの利用と座席での過ごし方
一般的な車いすは機内の通路を通れないため、機内で移動が必要な場合は「機内用車いす」を使用します。これは座席とトイレ間の移動の際に利用される専用の小型車いすで、航空会社のスタッフが操作・介助を行ってくれます。
なお、機内用車いすはすべての機材に常備されているわけではなく、事前に申請が必要です。
また、座席の指定も重要で、通路側の前方座席や、ひじ掛けが跳ね上がるタイプの座席が利用しやすいとされています。
機内では、長時間同じ姿勢で過ごすことになるため、クッションや体幹保持具を持ち込むなど、身体の負担を軽減する工夫が有効です。
航空会社によっては、補助用具の貸出を行っている場合もありますので、必要に応じて事前に確認しましょう。
トイレ・移動・安全ベルト・補助具など機内で配慮すべき点
飛行中におけるトイレ利用のしやすさは、車いす利用者にとって大きな関心事のひとつです。
大型機の一部では車いす対応トイレが設けられていることがありますが、すべての航空機で対応しているわけではありません。
特に小型機ではスペースに制限があるため、搭乗前のトイレ利用や、短距離便でのスケジュール調整が推奨されます。
また、座席での安全確保として、追加のシートベルトや補助ベルトの使用が可能な場合があります。
体幹が不安定な方には、補助器具の貸出や持ち込みが認められていることがあるため、必要に応じて事前に相談しておきましょう。
以下は、機内で意識しておきたいポイントです:
- 離着陸時の姿勢保持や揺れへの備えとして、補助ベルトを準備
- 飲食や薬の持ち込みは事前に機内持ち込み手荷物に
- スタッフに声をかけやすい席や、同行者と並んで座れる席を希望する
これらの配慮により、安心して機内での時間を過ごすことができます。
よくあるトラブルと失敗しないための対策
飛行機を利用する車いすユーザーにとって、出発当日や旅先でのトラブルはできるだけ避けたいものです。
実際に起こりがちなトラブルには、車いすの破損や搬送ミス、空港設備の未対応、予約情報の伝達不足などがあります。
これらは事前の確認や準備によって予防できるケースがほとんどです。ここでは、代表的なトラブル事例とその回避方法を紹介します。
車いすの破損や受け取りトラブル
最も多いトラブルの一つが、預けた車いすが破損して戻ってくるケースです。
特に電動車いすは構造が複雑で、取り扱いに細心の注意が必要ですが、空港スタッフによる十分な説明や取扱情報の共有がないまま輸送されることで問題が発生しやすくなります。
こうした事態を防ぐためには、以下の対応が有効です:
- 車いすの操作方法や折りたたみ手順を書面で用意し、預ける際に渡す
- 取り外し可能なパーツ(クッション、アームレストなど)は機内持ち込みにする
- 預け入れの前に、車いすの写真を撮影しておく(保険や補償申請用)
- 受け取り時には、その場で動作確認を行う
また、到着地で車いすが見つからない、別の便に乗せられたなどのトラブルも稀にあります。乗り継ぎがある場合は特に注意が必要です。
預ける際に荷物タグの控えをしっかり保管しておきましょう。
空港設備や便による制限 — 小規模空港、機材などの確認
空港や機材の種類によっては、車いす利用者への対応に制限がある場合があります。
小規模な地方空港ではリフト設備がなかったり、機内用車いすの貸し出しがないこともあります。
また、搭乗する機材によっては、電動車いすを収納できない構造の機体も存在します。
これらのリスクに対応するには、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 事前に利用空港と機材の情報を確認する(航空会社のサイトや問い合わせで確認可)
- 特に離島路線や小型機を使用する路線では注意が必要
- 不安がある場合は、代替ルートや便を検討するのも選択肢
航空会社の公式サイトには、各空港のバリアフリー対応状況やサポート体制が記載されています。利用予定の空港ごとに、設備と対応内容を比較しておくと安心です。
車いすユーザーが利用しやすい空港・設備の特徴
空港のバリアフリー対応は年々進化していますが、その設備やサービスの内容は空港によって異なります。
快適に飛行機を利用するためには、車いす利用者に配慮された空港や設備が整った場所を選ぶことも重要なポイントです。
ここでは、利用しやすい空港の具体的な特徴と、事前に確認しておくべきポイントをご紹介します。
バリアフリールートや設備が整っている空港の特徴
車いすユーザーにとって利用しやすい空港の共通点は、移動しやすさと視認性の高さです。以下のような設備が整っている空港は、安心して利用できます。
- 段差のない移動導線:エントランスからチェックインカウンター、搭乗ゲートまでスロープや自動ドアが設置されており、スムーズに移動可能
- エレベーターの配置と操作パネルの高さ:車いすでも操作しやすい位置にあり、音声案内付きで視覚障がい者にも対応
- 多目的トイレの充実:複数設置され、ベッドや介助用設備が整っているタイプがある空港も存在
- 誘導ブロックやユニバーサルデザインの案内表示:視認性が高く、多言語対応のサインで迷いにくい構造になっている
特に大規模空港(成田・羽田・関空・中部国際空港など)は、これらの対応が進んでおり、空港スタッフによるアテンドも充実しています。
中には「ユニバーサルツーリズム認定」を受けている空港もあり、障がいのある方が安心して利用できる環境整備に取り組んでいます。

サポート窓口・案内スタッフの体制
空港での安心感を支えるもう一つの要素が、サポートスタッフの対応力とサポート窓口の整備です。
大規模空港では専用の相談窓口や、多言語対応の案内センターが設けられており、事前予約に基づいたきめ細かな対応が可能です。
主な特徴は以下の通りです:
- 障がい者専用の案内カウンターの設置
専門の訓練を受けたスタッフが常駐し、身体状況に合わせた対応を提供してくれます。車いすの貸出、搭乗までの付き添いも対応範囲です。 - 音声案内・筆談・翻訳アプリなどによるコミュニケーション支援
聴覚障がい者、外国人利用者への対応として、コミュニケーション補助ツールを活用している空港が増えています。 - スマートフォン対応の情報発信
モバイル端末でバリアフリールートを確認できるアプリや、リアルタイムのサポート予約システムなども導入されつつあります。
これらの体制は、空港公式サイトで事前に確認することができます。利用予定の空港にどのような設備や体制があるのか、事前に調べて比較しておくことが安心につながります。
出発前チェックリストと安心のための準備リスト
飛行機での移動をスムーズかつ安全に行うためには、事前の準備とチェックが最も重要です。
特に車いす利用者の場合は、必要な情報の確認、サポート体制の確認、持ち物の準備など、通常よりも多くの準備項目があります。
ここでは、飛行機に乗る前に確認しておきたいチェックリストと、持っておくと安心なアイテムをまとめました。
必須チェック項目(予約確認、車いす情報、バッテリー、書類など)
以下の項目は、飛行機に乗る前に必ずチェックしておきたい基本事項です。チェックリストとして活用いただけます。
チェックリスト(事前準備編)
- 航空券の予約が完了しているか
- 車いす利用の申告を済ませているか(電話・オンライン含む)
- サポート内容(空港内・機内)の確認と申請は済んでいるか
- 車いすの種類(手動/電動)とサイズを航空会社に伝えたか
- 電動車いすの場合、バッテリーの種類と容量を伝えたか
- バッテリー仕様書や取扱説明書を用意したか
- 当日の到着時間を航空会社から指定されている時間より早めに設定したか
- 通路側座席や希望の座席のリクエストは済ませたか
こうしたチェックを事前に済ませておくことで、当日のトラブルや混乱を避けることができます。
特にバッテリー関連の書類は機内持ち込みが必須となるケースが多いため要注意です。
あると便利な持ち物・同行者との連携
必須アイテムに加えて、持っておくと安心・快適に過ごせる持ち物もあります。
また、同行者がいる場合には、役割分担や連携も重要なポイントとなります。
あると便利な持ち物リスト:
- 予備のクッション(座面の疲労軽減)
- 補助ベルト、姿勢保持用ベルト
- 折りたたみ式トレイや小物収納ポーチ
- バッテリーの仕様書や注意事項の印刷物
- 飲み物・軽食(機内サービスが限られる場合も)
- お薬や常備品(機内持ち込みバッグに分けて入れる)
- 車いすの写真(破損時の確認・保険申請用)
同行者との連携ポイント:
- 予約時点で同じ便・隣席の手配をする
- 搭乗時やトイレ介助などの役割分担を事前に話し合っておく
- 空港や航空会社の緊急連絡先を共有しておく
準備が万全であればあるほど、当日慌てることなく安心して移動ができ、旅の満足度も向上します。
旅を実現するために — 飛行機利用を前向きに捉えるために
飛行機の利用は、車いすを使用している方にとってハードルが高く感じられることもありますが、事前の準備と正しい知識があれば、安全かつ快適に空の旅を楽しむことは十分可能です。
近年では、空港や航空会社のバリアフリー対応も年々向上しており、より多くの方が飛行機を利用しやすい環境が整ってきています。
不安を完全になくすことは難しくても、「これならできそう」と思える情報をひとつずつ積み重ねていくことで、移動の選択肢は広がっていきます。
ぜひ本記事で得た情報を活用して、次の旅行や帰省、出張などに飛行機を活用してみてください。
また、わからないことがあれば航空会社や空港の相談窓口に問い合わせることも大切です。
積極的に情報を集め、準備を整えることで、きっとあなたにとって快適な空の旅が実現できます。
