- 投稿日 2023/09/05
- 更新日 2023/09/05
【高齢者向け】データからみる高齢者の旅行先おすすめランキング
個人旅行向け
高齢者施設様向け
観光地
はじめに
高齢者や車いすの方との旅行先はどのように決めていますか。
テレビで紹介されていた場所、久しぶりに行きたい場所、友人からの口コミなど様々だと思います。
今回、高齢者が旅行する目的を調査した資料から、
おすすめの都道府県をランキング形式で紹介していきます。
このグラフは、JTB総合研究所が2016年に全世代（20代～70代）の男女3600人あまりを対象に、興味関心のあるジャンルをアンケート調査したものです。折れ線グラフは全体の回答、橙色で表示された棒グラフは団塊世代（調査当時66～70歳）、緑色はキネマ世代（調査当時71~79歳）の回答となっており、全体と比較して66歳以上の高齢者の興味関心がどこに高いのかが分かります。
結果、「旅行」関連の情報は全世代で興味が高い傾向にありますが、全体と比較してキネマ世代は、「ニュース・政治経済」「健康」「スポーツ」「テクノロジー」等に興味関心が高いことが分かり、団塊世代は「歴史・文化遺産」に興味関心が高いことが分かります。
「敬老の日」にあわせて、シニアvsヤングの旅行動向調査を発表。
（2015 年 9月18日）
続いての表は、世界最大の総合オンライン旅行サイト「エクスペディア」の日本サイトが2015年に20-30代をヤング世代、60代-70代をシニア世代とし、それぞれ250名の合計500名を対象に調査をしたものです。旅行先でしたいこととしてシニア世代で挙げられたのは、やはり「文化・歴史」でした。次いで「グルメ」「芸術」「現地交流」と続きます。
２つの参考資料から、高齢者に「歴史や文化遺産」の興味関心が高い傾向にあることが分かります。以上を参考に高齢者におすすめの観光施設を厳選したので、是非参考にしてみてください。
ランキングTOP５
第５位 石川県
伝統的な街並みや北陸の海の幸、伝統工芸品が多くある石川県が、堂々のトップ５入りです。
特に石川県の中央部に位置する金沢市は、小京都とも称され、伝統的な街並みが今もなお数多く残っています。
また、石川県は金箔の生産量が日本一で国内シェア約98％を占めるほどです。
そんな、奥ゆかしさと華やかさが融合する石川県は多くの観光客で賑わいをみせています。
・金沢市立安江金箔工芸館
安江金箔工芸館は、「金箔職人の誇りとその証を後世に残したい」との思いから、金箔職人であった安江氏が私財を投じ金箔にちなんだ美術品や道具類をコレクションし、展示したことがルーツとされています。町屋の蔵をイメージした館内は、ホールの天井やロゴなど至る所に金箔が用いられています。
安江金箔工芸館は、金箔を施した美術品の展示はもちろんのこと、金箔の性質紹介や職人たちの金箔加工に関する紹介がされています。
エレベーターが設置されており高齢者や車いすの方も各フロア見学が可能です。
・近江町市場
海、山に近い金沢市は、新鮮で質の高い食材が豊富に揃います。近江町市場は、藩政時代から約300年以上、数多くの新鮮な食材が集まる金沢市民の台所として生活を支えてきました。
約170の店が軒を連ね、海の幸はもちろん、石川でとれた地物の野菜や果物も豊富に揃っていて眺めているだけでも楽しい市場になっています。
・兼六園
言わずと知れた金沢の観光名所「兼六園」。
日本三大庭園の一角として多くの観光客を魅了してきました。
兼六園は、江戸時代に歴代加賀藩主によって長い歳月をかけて形成されてきました。
金沢市中心部に位置し、四季折々の美しさを楽しめる庭園として、石川県民はもちろん、世界各国の観光客が訪れます。
園内は坂道の箇所がありますが、高齢者や車いすの方も安心して鑑賞することができる六勝コース（バリアフリー）の設定があります。詳しくは下記URLで紹介しています。
・ゆのくに天祥
加賀市の山代温泉内にある、ゆのくに天祥は高齢者や車いすの方を含め「人に優しい旅館」づくりを目指し、バリアフリー化を随時進めています。
その功績として、石川県バリアフリー社会推進賞を２度受賞しています。
客室もバリアフリーに特化した客室があります。
車いすのまま出入りすることが可能で、最大で６名まで宿泊可能です。
石川旅行のモデルコースは、下記ＵＲＬで詳しく紹介していますので是非確認してみてください。
第4位 神奈川県
第4位は、異国情緒溢れる街並みと歴史探訪・温泉が楽しめる神奈川県です。
東京に隣接する神奈川県は、クルーズ船が多く就航する国際都市横浜をはじめ、南部には古都鎌倉、東部には横須賀・三浦といった港町、西部には箱根・湯河原などの温泉地があり、魅力的なスポットが数多くあります。
・神奈川県立歴史博物館
横浜の中心部「みなとみらい」にある神奈川県立歴史博物館は、
神奈川の歴史を５つの時代に分け、それぞれのテーマのもと、人々の生活や信仰、政治や経済の変化、外来文化の影響など、多角的な視点で展示がされています。
建物自体、明治時代に銀行の本店として建てられていて、国の重要文化財・史跡の指定を受けています。歴史的建造物ですが、エレベーター・スロープが設置されているので、高齢者や車いすの方も安心して見学できます。
・鎌倉
鎌倉は、日本初の武家政権「鎌倉幕府」の地です。平安時代から続く京都や奈良の貴族文化や中国の宋・元の文化に、武家の精神性と庶民文化が融合し、独自の「武家文化」が形成され、建長寺・円覚寺と続く鎌倉五山をはじめとして、多くの寺院が開かれました。鎌倉が観光地として人気を博したのは江戸時代にまでさかのぼります。
鎌倉幕府滅亡から寺院が復興するのと同時に、江の島などの「景勝地」が徐々に江戸の町人に知られるようになり、ガイドブックなども出回るほどになりました。
寺院によっては段差等がありますが、鎌倉大仏（高徳院）は段差がなく観光できます。
また、鎌倉には屋内の観光施設も充実しており「鎌倉国宝館」や「鎌倉歴史文化交流館」などはバリアフリーに対応しており、高齢者や車いすの方も安心です。
・箱根
箱根は、1200年以上の歴史がある日本屈指の温泉郷となっています。奈良時代に開湯され、江戸時代に庶民が箱根温泉を観光地化に向けて発展させ今に至ります。
箱根は、温泉だけでなく美術館があり、箱根ガラスの森美術館と、箱根彫刻の森美術館など芸術やアート作品を身近に楽しめます。
・湯本富士屋ホテル
箱根湯本駅から徒歩３分、湯本富士屋ホテルは子どもから高齢者まで楽しめる複合宿泊施設です。館内は、カラオケルームや卓球台、ブティックまであり家族三世代での利用に向いています。
湯本富士屋ホテルには、バリアフリーに対応した部屋が２部屋あります。
なかでも401号室は、スーペリアツインのお部屋となり、湯本富士屋ホテルの中で唯一、温泉を引いているお部屋となります。段差をなくした設計となっていてバリアフリー対応です。
神奈川に関する旅行のモデルコースは、下記ＵＲＬで詳しく紹介していますので是非確認してみてください。
第3位 広島県
第3位は、自然が織りなす文化遺産とグルメの宝庫広島県です。
水の都とも称される広島は「厳島神社」や「尾道」、「鞆の浦」等の美しい景色や、「穴子」「牡蠣」「お好み焼き」を代表とするグルメや特産品が豊富にあります。また、原爆が投下された街として核兵器廃絶や恒久の平和を発信する施設を持つことから、国内外から観光客が訪れ、国際平和拠点としての役割を担っています。
・大和ミュージアム
呉市にある大和ミュージアムは、日本最大の海軍軍需工場として栄えた呉市の歴史を紹介する施設です。戦後、日本の近代化の礎となった造船・製鋼をはじめとする「科学技術」を、先人たちの努力や当時の生活・文化に触れながら紹介しています。エレベーターが設置されているほか、車いすの貸し出しを行っているため高齢者や車いすの方も不自由なく見学できます。
・縮景園
広島市中心部にある縮景園は、江戸時代1620年に浅野藩によって築成され、400年以上の歴史があります。
広島城周辺での大規模火災「宝暦の大火」が1758年に発生し多くの建物が焼失し、そこから約20年にわたる修復期間を経て、1940年に浅野家から広島県へ寄贈され、名勝指定を受けました。しかしそのわずか５年後、広島に原爆が投下され壊滅的な被害を受けます。そこから復旧までに約35年をかけて完成し今日の庭園があります。園内はバリアフリールートが設定されており、高齢者はもちろん車いすの方も安心して見学できます。
・宮島（厳島神社）
言わずと知れた観光地「宮島」は、連日多くの観光客が訪れます。
島内には世界文化遺産の厳島神社があり、厳島神社を含む「安芸の宮島」は日本三景としてその名が知られています。島内の商店街では、穴子専門店や焼き牡蠣の店頭販売などグルメを楽しむことができます。島内各所にスロープが設置されているため、不自由なく観光できます。
・ホテルメルパルク広島
ホテルメルパルク広島は、広島市の繫華街「紙屋町」にあるホテルです。広島バスセンターと直結しており、空港バスなど広島と各地を結ぶバスが発着するので観光する上でアクセスが非常に良いホテルとなっています。
ホテルメルパルク広島には、バリアフリールームがあります。高齢者や車いすの方も安全に移動できるツインのお部屋です。
第2位 鹿児島県
第2位は、火山や温泉など自然の恵みを肌で感じられる、南国鹿児島県です。
本土最南端に位置する鹿児島県は、世界自然遺産の屋久島や、雄大な活火山「桜島」をはじめとする豊かな自然、美しい景観、地物食材など魅力的な観光資源に恵まれています。
また、鹿児島県は日本屈指の温泉大国。入浴スタイルや泉質が地域により異なるので、様々な温泉を楽しめます。
・鹿児島市維新ふるさと館
維新ふるさと館は、幕末の薩摩藩や日本の様子、明治維新を支えた英雄たちを展示しており、映像やクイズなど多彩な演出で分かりやすく紹介しています。このため、歴史に詳しい方もそうでない方も、幕末や明治維新を楽しく学ぶことができます。
施設内にある体感ホールでは、音や光、ロボットを使った臨場感溢れるドラマを鑑賞することができます。ドラマは、幕末から明治維新にかけての英雄たちが主役となって、日本の夜明けを描いています。ハイテク技術を活用したドラマは、鑑賞する人を激動の時代へとタイムスリップさせます。体感ホール内には、車いすのまま鑑賞できるスペースを設置しています。
・鹿児島県上野原縄文の森
霧島市にある上野原縄文の森は、標高約250ｍの台地上にあります。
52軒の竪穴住居群を中心に、39基の集石遺構（石を集めて加熱する道具）や16基の連穴土坑（燻製器具）が発見されており、約9,500年前の集落の様子を伺うことができます。
敷地内にある展示館は、重要文化財を中心に鹿児島県内各地で見つかった土器や石器等の出土物を展示しています。また、縄文の世界をイメージしたシアターやジオラマなどで楽しみながら知識を深められます。また、3階には展望所が設置されており上野原縄文の森全体を見渡すことができます。エレベーターが設置されているので車いすのまま眺めることができます。
・枕崎お魚センター
枕崎お魚センターは、市場とレストランを兼ね備えた施設です。
枕崎市は鰹の名産で知られ、高知や静岡などの他の産地に先駆けて３月に漁獲のピークを迎えます。
特に、「ぶえん鰹」と呼ばれる枕崎のブランド鰹は、他では味わえない弾力性のあるモチモチとした食感が楽しめます。その秘密は、一本釣りした鰹を船上で活き〆（血抜き）し急速冷凍できる装置にあります。一本釣りのため鰹の状態が良く、なおかつ鮮度のよいまま処理・冷凍されるため他で味わえない鰹を楽しめます。お魚センターにあるレストランでは、ぶえん鰹のお刺身や海鮮丼をご賞味頂けます。
・城山ホテル鹿児島
鹿児島市中心部の高台にある城山ホテル鹿児島は、桜島と鹿児島湾を一望できる絶好のロケーションにあります。
城山ホテル鹿児島にはユニバーサルルームがあります。
全ての段差をなくし、低めの浴槽や電動リクライニングベッドの採用で、高齢者の方や車いすをご使用の方も安心してお泊まりいただける充実した機能性を備えています。
また客室からは、雄大な桜島をゆったり眺めることができます。
鹿児島旅行のモデルコースは、下記ＵＲＬで詳しく紹介していますので是非確認してみてください。
第1位 静岡県
静岡県が堂々の第1位です。富士山麓より湧き出る名水により、お茶や鰻、ワサビなど国内有数の産地として発展してきました。また、「浜松餃子」や「静岡おでん」、「富士宮焼きそば」など、名物グルメが各地域にあり全てのグルメを制覇するのもおすすめです。
特に東部に位置する熱海や伊豆の温泉街は、首都圏からも近いことから多くの観光客で賑わっています。温泉にゆっくりと浸かった後は、静岡県が誇る海の幸を堪能できます。静岡県は清水や沼津など有名な漁港が多くあり新鮮な魚介をお楽しみいただけます。
・伊東マリンタウン
伊東マリンタウンは、子どもから高齢者まで１日中楽しめる施設です。
1454平方メートルもの広大な敷地には、静岡の海の幸を存分に楽しめるレストランや、
天然温泉「シーサイドスパ」、伊東の海をクルーズする遊覧船など、自然の恵みを体験できるアクティビティーが多くあります。伊東マリンタウンでは、屋内施設にはエレベーター、屋外はスロープが設置されているので高齢者や車いすの方も安心して入場できます。
・三嶋大社
三嶋大社は、平安時代中期より現在の場所に位置しています。
源頼朝が伊豆へ流罪になった際に、源氏の再興を願うため祈願に通っていたようです。その祈願が叶い、源氏は旗上げを果たし鎌倉時代にわたって幕府崇敬の神社として名が知られています。
境内には、樹齢1200年を超える天然記念物のキンモクセイや、国宝の「梅蒔絵手箱」などの重要文化財が多く残っています。また春になると、参道のソメイヨシノや上池周辺のしだれ桜が見頃を迎えます。
境内の段差は少なく高齢者も安心です。本殿手前まで車いすで入場することができます。
・伊豆わさびミュージアム
伊豆わさびミュージアムは、「見て、味わって！」をテーマに、工場見学を自由に行うことができ、わさび漬けの製造工程を見ることができます。
また、伊豆わさびミュージアムは、お土産などのお買い物もできます。わさび漬はもちろん、三島ブランド認定品の「農兵漬」など数多くの商品を取り扱っています。高齢者や車いすの方も不自由なく見学でき、バリアフリー対応となっています。
・ホテルSAZANA
伊豆の稲取温泉にあるホテルSAZANAは、高齢者や車いすの方でも快適に過ごせるようバリアフリーに力を入れています。
客室のドアはスライド式となっていて車いすの方もスムーズに入室できます。
貸切風呂の用意がされており、専用の車いすにてそのまま入浴することができます。
静岡旅行のモデルコースは、下記ＵＲＬで詳しく紹介していますので是非確認してみてください。
まとめ
今回は、高齢者向け旅行先ランキングを発表しましたが、いかがでしたか。
紹介した中で気になる施設はありましたでしょうか。バリアフリー面で旅行先を考える上では、屋内の観光施設の充実度も判断材料に上がるかと思います。歴史や芸術作品などは、インターネットで見るよりも、現地の施設で見て知ることに意義があります。
是非参考にバリアフリー旅行を楽しんでみてください。
